あなたにとってわたしは何?
友達
恋人
知人
他人
一諸にいて楽しいけど
楽しくない
ナニ が分かるまで・・
知りたい
でも知りたくない
ただわかってるのは
わたしはあなたが好きってことだけ・・
プール 真夏に再会・・
市民プールに来てる
子供にせがまれて・・
せっかくの夏休みも子守で終わりそう
共働きだからしょうがないか・・
毎年来てるこの市民プール
市民プールなのに施設が充実してて大人気
係員に誘導されて砂ぼこり舞う駐車場へ
子供はテンションが上がりもう水着に着替えてる
同じような親子を後目にいざプールへ
更衣室で着替え終わりプールに行くと流れるプールには大勢の人が
流れるというか流されてるというか・・
笑顔の子供たちと疲れた顔のお父さん達・・
その光景は毎年見るが・・やはり少し面白い
このお父さん達も子供の頃はプールに入れば笑顔だっだろうに・・
そう思いながら疲れた顔を笑顔に変えプールの中に・・
一通りのプールで遊ぶと子供は目玉のウォータースライダーヘ
ゴール付近で待機しているとサングラスをかけた女性が・・
すらっとしたスタイルで自分と同じように下りてくる子供を待っていた
雰囲気やスタイルがタイプなのでチラチラ見てしまう
その女性がサングラスを外すと心臓が飛び出そうになった
元彼女だった・・
結婚した県外にいると聞いていたが帰省中か?
運よく(悪く?)二つあるウォータースライダーの出口からお互いの子が同時に出てきた
自分に気づいているであろうあなたはあなたによく似た色白の娘に手を振っていた
こっちはそんな余裕もなく自分の子を連れ不自然にまた流れるプールへ・・
その時あなたの子が明らかに聞きなれないイントネーションで「楽しいから来年も来る」と・・
あんたは「そうだね!来よう!ママも毎年来たい理由ができた!」
首をかしげる自分の娘を見つめて・・こちらを見て手を振るあなた・・
自分の子は小学5年生
来年も説得してでもこのプールに来ることを決意してセミが鳴くプールを後にした
同窓会
わたしたちの同級生は毎年お盆の時期の同窓会をひらく
ほとんどの同級生が地元から出てないから
いつでもいいんだけど
数少ない帰省組に配慮
最近は中々帰省組も子供の行事なんかで参加率は低くなって
ほとんど地元組
でも今年は高校を卒業して一度も参加したことのない人がくるらしい
そうそれはあなた
高校のとき付き合ってたあなた
あなたは高校を卒業して東京の大学へ
いっとき遠距離恋愛してたけど
寂しがりやのわたしは耐えられなくて別れてしまった
わたしはその後付き合った銀行員と結婚
それなりに幸せな毎日を過ごしてる
あなたは東京で会社員という情報しかなく
同級生も連絡をとってないみたいで
同級生の謎だった
ところが今年はあなたが同窓会に来るってなって
同級生たちは少し興奮ぎみ
学生時代はかっこよくておもしろくてサッカー部で・・
みんなと仲よくて人気物のあなたが音信不通でみんな心配してた
そして当日毎年変わらない見慣れたメンバーの中にあなたが・・
でも様子がおかしい面影はあるけど顔色も悪い
笑ってるけど学生時代のようなさわやか笑顔じゃなくて無理してる感じ
みんなあなたに質問攻め
でもはぐらかして昔話を無理やりしてた
みんな気分が良くて酔ってたから気づかなかったかもしれないけど
お開きの時、あなたはみんな一人一人の手を取って「ありがとう」って言ってた
まるでもう一生会うことがないみたいに少し涙目で・・
最後にわたしの手を取って
「ありがとう 幸せそうみたいで 身体に気を付けてね 」って寂しそうな目で言うから・・
その寂しそうな目が気になったけど・・
そこで同窓会はお開き
みんなからあなたは「来年も必ず来いよ」と声を掛けらてた
なぜかあなたは「ゴメン~ゴメン~」と言って帰って行った
そしてその意味が分かったのはその3か月後
喪服を着てその同級生たちといた
葬儀場でどこからか小声で「末期癌がわかって大分に帰ってきてたらしい・・・・」
「ありがとう」の意味
「ゴメン~ゴメン~」の意味
お盆の時期にある同窓会
来年も再来年もずっとずっと参加しようと思う
台風
明日はアナタと久しぶりに会える・・かな?
アナタは大丈夫だから迎えに行くと何度も言う
「会いたいから・・」と何度も
明日は大型台風が来るとテレビやラジオが外出を控えるようにと何度も何度もアナウンスしてる
台風慣れしてる九州でも明日のは少し様子が違うみたい
「危ないからいいよ「 迎えにくる途中に何があるかわからないから」
私の言葉に「大丈夫だから」としか答えない
根負けした私は「無理はしないでね」と言い電話を切った
当日の朝、台風は直撃し私の町は暴風域に・・
15年振りの大型台風
アナタに中止にしようと連絡すると「嫌だ」と・・
私は少し怒ってもう一度話そうとすると「近くにもういるから・・」と
アナタの家から私の家まで車で1時間半の距離
この台風の中来たなんて自殺行為
「何してるの!何かあったらどうするの!」と怒る私に
「昨日から安全なデパートの駐車場に泊まってた・・」
「必ず会えるし・・安全だから心配かけない・・一石二鳥」
「お風呂入ってないからゴメン」
夏になり天気予報で台風情報が流れるたびに・・
このことを思い出す
祭り
あなたと行った祭り
出店と花火
ワタシは浴衣 あなたはジーンズにTシャツ
行き交う人の人込みの中
はぐれないように不器用にワタシの手を握り歩くあなた
温泉地で生まれたワタシ達はこの祭りは一大イベント
「火の海」という祭りの名前に違和感はなかったけど
夏前の女子は好きな人と「ヒ・ノ・ウ・ミ・マ・ツ・リ」に行く・行かない・行きたいの話で持ち切り
ワタシは「行く」ことができた
同級生や近所の人にからかわれ・・
でも嬉しかった・・
二人で食べたかき氷
ワタシがメロン味を選んだら「メロンは嫌い」って・・
そんな空気を読めなかったあなたは・・
結婚して新聞やメディアにでる地元では有名な人になったね
あなたの名前をいろんな人から聞くと嬉しい気持ちになります
でも・・いつまでも思い出すから少し苦しいです
今年もあの祭りに行きました
かき氷は娘とメロン味を食べました
ありきたりな会話
夏の終わり
夏になると父の実家によくついて行ってた
親戚や近所の人がいいっぱいいて騒がしくあまり居心地は良くなかった
正直楽しくないのである・・
あなたに会えること以外・・
あなたに会ったのは小学校高学年の頃
父の実家の近くに住む一つ年上のあなた・・
父の実家は農家で山の中にあり俗にいう田舎
自分もそんなに都会に住んでいないがあなたから見たら都会に住む男の子に見えたみたいで
色んなことを聞かれ色んなこと聞いた
色が白く少しふくよかで笑顔が可愛いあなた・・
シャイな年下の自分に
「ジュース飲む?」
「暑いからタオル持ってきてあげる」 などなど・・
中学3年生の時 いつものように父に実家に帰っていたとき
ある夜、あなたに祭りに誘われ行くことに・・
あなたは高校生になっており大人感が半端なくどこを見て話せばいいのか・・
ドキドキしてたら腕を組んできて・・
いい香りと腕にあたる柔らかい感触が・・
神社の提灯の灯りに照らされたあなたはとても綺麗だった・・
祭りも終わり二人で帰っているとあなたは来た道の違う道から帰ろうと・・
元々田舎だから脇道に入れば電灯も少なく薄暗い
少し歩くと自分の腕を離しあなたは立ち止まり・・
「彼氏ができたの」と小さな声
中学3年生の自分には理解不能な状況にでた言葉は「へー」
少し呆れたあなたは私に近づき・・
「だから最後のデート」言うと同時に自分の頬に手を添え唇を重ねてきた
硬直した自分にもう一度キスしてあなたは少し微笑んで走って帰って行った
胸が苦しく身体は熱く
電灯の少ない道をフラフラを帰ったことを今でも覚えている