黄昏はあなた色 

かすかに聞こえる電車の音
図書館の静寂
校庭の水道を一心不乱に飲むサッカー部
駅前でいつも飼い主を待つ犬
川辺にいつもたたずむ水鳥
休日のグランドで走るこども
くるはずのない手紙を待つポスト
母親の手を強く握る女の子
仲よくひとつのマフラーをふたりで巻く女子高生
噴水に淵に腰かけてる老婆
飛行機雲もうれしそうに見あげるあなた
黄昏はいつもあなた色
こころに刻むシーンはあなたと見ていたい
黄昏は昔もあなた色
ずっとあなた色

編みかけの手袋 あなたが生きていたら40歳

俺の手袋は編みかけの手袋



紺色の毛糸で編んだ手袋
お世辞にも綺麗に編まれていないけど
俺の宝物
俺は高校に入学してあなたとすぐ付き合い始めた
同じクラスで隣の席
違う中学だから初対面だったけどショートカットに整った顔
少し気が強そうだったけど一目惚れ
そして勇気をだして告白
ショートカットの髪が揺れて「ウン」とうなずいてくれた
俺にとって初めての彼女
自慢じゃないけど中学の時はけっこう告白された
でも・・なんか自分に自信がなくて硬派ってことでごまかしてた
だから自分で告白するなんて想像できなかったけど・・
今思えば・・かなりあなたがタイプだったんだろう
そんなあなたと付き合うことができて俺は少々浮かれていた
背が高く顔が小さく綺麗で声も可愛い
何より鼻は高くて唇が色っぽかった
自慢の彼女!
だから皆に自慢ばかりして・・
だから中学生の頃からの夢があってそれをあなたに話したよね
「手袋を編んでほしい!」
ベタだけどなんか憧れてたんだ
そしたら予想外の答えが・・
「手芸は苦手だから無理!」
「買ったほうが早いし綺麗だからプレゼントするよ」
それを聞いた俺は若かったから・・怒って帰ってしまった
それから本当に子供で話しかけてくるあなたを無視して・・
ずっと・・
3か月も・・
そして12月19日は俺の誕生日になった
授業が終わって部活にいく俺をあなたは呼び止めた
紺色の袋を俺の胸元に押し付けて・・
「誕生日おめでとう!!!」って照れながら言っ走って行った
中には紺色の毛糸の手袋
そして手紙が・・
「誕生日おめでとう!本当に不器用で手袋なんて編んだことないから途中までしかできてない・・
ゴメン。左右長さが違うの・・。もしわたしを許してくれて仲直りしてくれるなら最後まで完成させるのでまたちょうだい。わたしは完成させたい。クリスマスには徹夜してでも完成させるよ」
俺はうれしくて涙が・・
三か月も無視してた自分が嫌になった
はやく家に帰って電話して伝えよう
「仲直りしよう・・好きだ」って
でも・・それはかなわなかった
俺に手袋を渡したあと家に帰る途中、歩道を歩いていたあなたに車が飛び込んできたらしい
飲酒運転・・
あなたの家に電話しても誰もでないから
行ってみたら・・
俺が手袋なんか欲しいって言わなければ
無視なんかしなければ
あの時走り去るあなたを呼び止めとけば
後悔ばかりで・・
信じられなくて・・
今東京で暮らす俺は九州より寒いこの都会にも少しは慣れてきたよ
でもどんなに寒くても他の手袋はしない
手袋は左右長さが違う、編み目が大きいあなたがくれた手袋じゃないと
風が入ってくるけど暖かい
一生懸命編んでくれた手袋
俺の宝物
あなたの・・


編みかけの手袋 あなたが生きていたら40歳

俺の手袋は編みかけの手袋



紺色の毛糸で編んだ手袋
お世辞にも綺麗に編まれていないけど
俺の宝物
俺は高校に入学してあなたとすぐ付き合い始めた
同じクラスで隣の席
違う中学だから初対面だったけどショートカットに整った顔
少し気が強そうだったけど一目惚れ
そして勇気をだして告白
ショートカットの髪が揺れて「ウン」とうなずいてくれた
俺にとって初めての彼女
自慢じゃないけど中学の時はけっこう告白された
でも・・なんか自分に自信がなくて硬派ってことでごまかしてた
だから自分で告白するなんて想像できなかったけど・・
今思えば・・かなりあなたがタイプだったんだろう
そんなあなたと付き合うことができて俺は少々浮かれていた
背が高く顔が小さく綺麗で声も可愛い
何より鼻は高くて唇が色っぽかった
自慢の彼女!
だから皆に自慢ばかりして・・
だから中学生の頃からの夢があってそれをあなたに話したよね
「手袋を編んでほしい!」
ベタだけどなんか憧れてたんだ
そしたら予想外の答えが・・
「手芸は苦手だから無理!」
「買ったほうが早いし綺麗だからプレゼントするよ」
それを聞いた俺は若かったから・・怒って帰ってしまった
それから本当に子供で話しかけてくるあなたを無視して・・
ずっと・・
3か月も・・
そして12月19日は俺の誕生日になった
授業が終わって部活にいく俺をあなたは呼び止めた
紺色の袋を俺の胸元に押し付けて・・
「誕生日おめでとう!!!」って照れながら言っ走って行った
中には紺色の毛糸の手袋
そして手紙が・・
「誕生日おめでとう!本当に不器用で手袋なんて編んだことないから途中までしかできてない・・
ゴメン。左右長さが違うの・・。もしわたしを許してくれて仲直りしてくれるなら最後まで完成させるのでまたちょうだい。わたしは完成させたい。クリスマスには徹夜してでも完成させるよ」
俺はうれしくて涙が・・
三か月も無視してた自分が嫌になった
はやく家に帰って電話して伝えよう
「仲直りしよう・・好きだ」って
でも・・それはかなわなかった
俺に手袋を渡したあと家に帰る途中、歩道を歩いていたあなたに車が飛び込んできたらしい
飲酒運転・・
あなたの家に電話しても誰もでないから
行ってみたら・・
俺が手袋なんか欲しいって言わなければ
無視なんかしなければ
あの時走り去るあなたを呼び止めとけば
後悔ばかりで・・
信じられなくて・・
今東京で暮らす俺は九州より寒いこの都会にも少しは慣れてきたよ
でもどんなに寒くても他の手袋はしない
手袋は左右長さが違う、編み目が大きいあなたがくれた手袋じゃないと
風が入ってくるけど暖かい
一生懸命編んでくれた手袋
俺の宝物
あなたの・・


手編みのマフラー 覚えてますか・・




グレーの手編みマフラー
俺はいまでも大事にしてる
あなたと出会ったのは高校一年生の時
入学して同じクラスになり教室で始めて見た時に一目惚れ
美人というか可愛い感じで・・
違う中学だったからもちろん知らないし俺の中学からは数名しか同じ高校に進学してないからクラスで知ってる人は同じサッカー部の輩のみ
高校生活に多少の不安があったけど・・
この衝撃の出会いに不安なんて吹き飛んだ・・
男なんてそんなもの・・
部活で忙しい自分と帰宅部のあなた・・
クラスでもあまり話せなかった・・
だから6月にある一泊二日の校外研修で思い切って告白・・
なんと‥奇跡のOK!
初めての彼女
初デートの時は色々雑誌で調べたり友達に聞いたりして・・いい思い出
色々話したりデートしたり・・
ある日ベタだけど手編みのマフラーが欲しいって話をしたら・・
あなたは「不器用で裁縫もできないしマフラーなんてできるはずない・・ゴメン」
って
子供だった俺は友達が彼女からもらったことがあることがうらやましい気持ちだけであなたの気持ちなんて考えず「なんでだよっ」って怒ってしまった。
それから意地になった俺は意図的にあなたと距離を置きそっけない態度
本当に幼稚な自分でした
約2か月あなたの気持ちを無視してた12月24日
部活終わりにあなたが待ってた
部室から階段を上がったところで・・
「ごめんね・・本当に不器用だから・・恥ずかしいからマフラーはできないって言ったの・・」
「この二か月間凄く寂しくて・・好きだから・・恥ずかしいけど・・下手だけど・・いびつだけど・・マフラー編んだ・・から受け取って!」と泣きながら言うあなた・・
そんな健気なあなたに・・本当はうれしいのに・・
俺は受け取ると声もかけず帰ってしまった
家でビームスのオレンジ色の袋から手編みのマフラーを出した・・
お世辞にも整った形じゃないけど一生懸命編んでくれたのがわかって涙が出てきた
本当にうれしかった
次の日あなたにお礼を言おうと教室に行くと学校を休んでた
終業式を休んでた
心配になって家まで行ったけど留守・・
次の日も留守・・誰もいない・・
ずっと誰もいないまま年末になって親からあなたが引っ越したことを聞いた
両親が離婚して母親に引き取られたことを・・
両親の仲が悪いことは寂しそうに話してたけど・・知らなかった・・
そんな時に俺は・・
酷いことを言って酷いことをして
せっかく編んでくれたのにありがとうも言わず・・
もしかしたらお別れを告げるつもりだったかもしれないのに・・
その夜編み目の大きさが違うマフラーを見て涙が止まらなくなった・・
あの時「ありがとう」って言えばよかった・・
俺も好きだよって言えばよかった・・
今でもこのマフラーも見るとその時を思い出す・・
そして許されるなら今でもありがとうって言いたい・・



表参道 並木道での言葉覚えてるかな?

表参道



お洒落な店が立ち並び自分なんて似合わないと思ってた
あなたは東京生まれ
俺は九州の田舎で生まれ東京はテレビで見る夢の世界・・だった
なぜか東京観光のつもりで受けた大学が受かってしまい周りからの勧めで思わぬ東京ライフを過ごすはめに
九州の大学に進学するつもりだった俺は東京へのあこがれも興味もなかった・・と言えば聞こえがいいが
ただのコンプレックスなのはわかってた
だから大学では同郷の輩とつるむか家にこもってた
標準後・・東京弁が特に無理だった
~じゃん~だね~
特別九州男児というほど男らしいタイプではないが優しい口調に言葉に身体が震えてしまう
そんなこんなで東京に来て半年が経つ時バイト先で知り合ったあなたに一目惚れ
九州など行ってことのないあなたは珍しそうに俺の話を聞き
あなたに東京の話を聞いて少しづつコンプレックスは解消
頑張って東京弁で話してたけどやっぱり所々で九州弁が出るらしく可愛く指摘を受けるのも幸せだった
告白も九州弁
「お前が好きやけん付き合ってくれん?」
俺は「お前が好きだから付き合って」と言ったつもりだが動転して九州弁がでたらしいが・・
男らしくてよかったとの感想・・結果オーライです
だんだんあなたと話すとお嬢さまだということに気づいた
九州のお嬢様とはスケールが違うから逆によかったのかも
お嬢様なのになんでバイト?とだいぶ後に疑問に思って聞いたら
親からも反対されたけどバイト先にたまた客として来て、俺の雰囲気に興味が沸き話したくなってバイトの申し込みをしたらしい・・その事実を知った時はうれしいよりも「お嬢様恐るべし」と思った
交際は順調で東京にいろんなところに行ったけどやっぱり
表参道でのデートが多った
あなたが好きな場所で俺も凄く好きだったから
でもあなたは東京で生まれ田舎なんてなくて東京の街並みは変わるけど自分に変化がないことを嘆いていた
「九州に嫁ぐのもありだね」と意地悪な目で言う表情は少し寂しそうだった
そう東京を離れられない運命を知ってたから・・
だから俺みたいな2流大学生で田舎者とは先がないのはわかってた
お互い口に出さないけどわかってた
でもそれを・・運命を変えようとしたのは俺じゃなく・・
あなただった
地元で就職を決め大学卒業が迫る1月
家出同然で夜中俺に部屋に・・
あなたは春からあなたと同じ九州で就職して生活する・・と
就職先も見つけて住むとこも決めた・・と
「お嬢様恐るべし」・・がまた出た
ただその時俺はその気持ちに応えられるほどの気概もなく・・結局あなたを傷つけた
親を大切にした方がいいって都合のいい言葉で説得して・・
実際は俺が現実から逃げたかっただけ
お嬢様を受け入れる器なんて俺も俺の親もなかった
親に迷惑かけたくなかった
あなたは親を捨ててまで俺を
俺はあなたより親を取った・・
それが現実
お別れは二人が好きな場所に表参道にしようと言ったのはあなた
最後に抱きしめて・・あなたが言った「元気でね」がイルミネーションでボヤけてた
秋になり冬が近ずくとテレビであの場所のイルミネーションが映る
二人が好きな場所
いまでもイルミネーションだけは綺麗なまま
二人の思い出は・・



色白




あなたは色白・・
俺は色が白い人が好みで白ければ白いほどドキドキする
子供のころから北欧の白人や日本人(クオーター?)では宮沢りえが好みで・・
そんな俺はあなたに出会いひとめぼれ・・
薄い顔と白い肌 笑顔になると目が細くなって・・
そんなあなたは・・幸せになってる・・と風の噂・・
イケメンの旦那と子供に恵まれて・・
SNSの広がりで知りたくない・・見たくない情報も・・
いや・・やっぱり知りたいか・・
旦那と子供と写るあなたはやっぱり俺の好みで・・
透き通る白い肌と眩い笑顔
幸せそうでなにより・・と考えられるようになったのは歳をとったのか・・
それとも・・
傍にいて「かわいい」と言うと見る見る顔がピンク色になり恥ずかしいそうな表情に・・
いまでもその顔を思い出すことも・・
秋らしく涼しい夜 色ずく葉を見てなぜかあなたを思い出す
素晴らし出会いと素晴しいと思いたい別れ
お互い幸せでいよう・・と言える日がくればいいと思う今日この頃
この満月をあなたも見てるだろうか・・



プール 真夏に再会・・




市民プールに来てる
子供にせがまれて・・
せっかくの夏休みも子守で終わりそう
共働きだからしょうがないか・・
毎年来てるこの市民プール
市民プールなのに施設が充実してて大人気
係員に誘導されて砂ぼこり舞う駐車場へ
子供はテンションが上がりもう水着に着替えてる
同じような親子を後目にいざプールへ
更衣室で着替え終わりプールに行くと流れるプールには大勢の人が
流れるというか流されてるというか・・
笑顔の子供たちと疲れた顔のお父さん達・・
その光景は毎年見るが・・やはり少し面白い
このお父さん達も子供の頃はプールに入れば笑顔だっだろうに・・
そう思いながら疲れた顔を笑顔に変えプールの中に・・
一通りのプールで遊ぶと子供は目玉のウォータースライダーヘ
ゴール付近で待機しているとサングラスをかけた女性が・・
すらっとしたスタイルで自分と同じように下りてくる子供を待っていた
雰囲気やスタイルがタイプなのでチラチラ見てしまう
その女性がサングラスを外すと心臓が飛び出そうになった
元彼女だった・・
結婚した県外にいると聞いていたが帰省中か?
運よく(悪く?)二つあるウォータースライダーの出口からお互いの子が同時に出てきた
自分に気づいているであろうあなたはあなたによく似た色白の娘に手を振っていた
こっちはそんな余裕もなく自分の子を連れ不自然にまた流れるプールへ・・
その時あなたの子が明らかに聞きなれないイントネーションで「楽しいから来年も来る」と・・
あんたは「そうだね!来よう!ママも毎年来たい理由ができた!」
首をかしげる自分の娘を見つめて・・こちらを見て手を振るあなた・・
自分の子は小学5年生
来年も説得してでもこのプールに来ることを決意してセミが鳴くプールを後にした


夏の終わり

夏になると父の実家によくついて行ってた
親戚や近所の人がいいっぱいいて騒がしくあまり居心地は良くなかった
正直楽しくないのである・・
あなたに会えること以外・・
あなたに会ったのは小学校高学年の頃
父の実家の近くに住む一つ年上のあなた・・
父の実家は農家で山の中にあり俗にいう田舎
自分もそんなに都会に住んでいないがあなたから見たら都会に住む男の子に見えたみたいで
色んなことを聞かれ色んなこと聞いた
色が白く少しふくよかで笑顔が可愛いあなた・・
シャイな年下の自分に
「ジュース飲む?」
「暑いからタオル持ってきてあげる」 などなど・・
中学3年生の時 いつものように父に実家に帰っていたとき
ある夜、あなたに祭りに誘われ行くことに・・
あなたは高校生になっており大人感が半端なくどこを見て話せばいいのか・・
ドキドキしてたら腕を組んできて・・
いい香りと腕にあたる柔らかい感触が・・
神社の提灯の灯りに照らされたあなたはとても綺麗だった・・
祭りも終わり二人で帰っているとあなたは来た道の違う道から帰ろうと・・
元々田舎だから脇道に入れば電灯も少なく薄暗い
少し歩くと自分の腕を離しあなたは立ち止まり・・
「彼氏ができたの」と小さな声
中学3年生の自分には理解不能な状況にでた言葉は「へー」
少し呆れたあなたは私に近づき・・
「だから最後のデート」言うと同時に自分の頬に手を添え唇を重ねてきた
硬直した自分にもう一度キスしてあなたは少し微笑んで走って帰って行った
胸が苦しく身体は熱く
電灯の少ない道をフラフラを帰ったことを今でも覚えている






ユニコーン

あなたはユニコーンが好きだった
いや奥田 民生か
僕は一生懸命ユニコーンのアルバムを借りて聴いて・・
あの曲がいいよね あの歌詞いいよね
あなたの好きなユニコーンを知ることで共有できることで凄く近くにいるような気がした
目が大きくて・・色気があって・・素直な性格・・笑いのツボも一諸・・
こんな人と結婚したいって思ってた
でも自分は大学生であなたは社会人 自分では色んなことができてるって思っても所詮学・・学生
その上遠距離で時間だけはあるのが学生の特権なのに傍にいてあげられなくて・・
そりゃフラれるよね
十何年振りにSNSで再会(?)
昔と変わらない呼び名で・・
働いてるところも連絡先もわかるけど恥ずかしくて会えない・・
そしてごくたまにやりとりするうちに結婚するとの報告
素直に良かった 祝福 旦那さんはきっといい人だろう
十代 二十代 三十代 四十代 と過ごして心の片隅にいたあなたの幸せ
本当におめでとう
この気持ちは誰も傷つけていないし
誰も裏切っていない
本当に好きだった人が幸せになることがこんなにうれしいなんて
凄い・・でも少し切ない
歳を取るのはいいような悪いような・・



グランド

子供の時 暗くなるまで遊んだグランド
サッカーを始めてからはずっとボールを蹴ってた
坂ばかりの街だから校舎から石段を降りてグランドに 中学生になっても高校生になってもこのグランドに行くと気持ちが落ち着いてた
大好きな場所だから好きになった人とは必ず一緒に行き思い出話を必ずして
大学生の時は東京から彼女を連れて来て…
何人かと一緒に行ったけど…
あなたともちろん行ったし凄く喜んでくれたね
「この場所凄い好き!」
そんな言葉が嬉しかった
運命の人だとお互い思ってたけど間違ってた
でも別れたことは間違ってなかった
お互い家族を持ち幸せで毎日忙しく生活してたもんね
俺よりイケメンの旦那には少し複雑だけど昔から面食いだったと納得させて
あなたのこと思い出すことは少なくなったけど
あの時あのグランドであなたが言った言葉はずっと忘れなかった「もし別れてもこの場所に来たら会えるかもね…だってこの場所あなた好きだから、それで本当に会えたら運命の人なんだよ」
その言葉が頭がずっと離れていなかったから
あなたと別れて始めてあのグランドに行ってみた
少し整備をされてたけどあんまり変わってない
あなたと話したことが鮮明に浮かんできた
お父さんが大好きなあなたは俺を早く紹介したいと話してた
あなたは本当は保母さんになりたかったこと
あなたの大失恋した話
いっぱい話したね
涙が出てきた
もう一度この場所で話したいと思った
でももう無理なんだね
あなたがこの場所にいつも来てたことを聞いたよ
あなたの親友から葬祭場の駐車場で呼び止められて
俺はこの場所に来ることから逃げてたんだ
あなたは…
…もし別れてもこの場所に来たら会えるかもね…だってこの場所あなた好きだから、それで本当に会えたら運命の人なんだよ…